5年前のCPUでも採算がとれるBitZenyのマイニングをしてみたよ

仮想通貨BitZeny, マイニング

どもども、最近は学生という本業を忘れがちで仮想通貨ばっかりいじっている自分です。実際本業の方がやばいのですが、現実逃避で記事を更新します。

今回は、仮想通貨のマイニングをやっていこうと思います。皆さんは”マイニング”と聞いて「高性能な計算機が必要なんじゃ無い?」とか「めんどくさそう」とお考えでは無いでしょうか。今回はそんなイメージを払拭すべく、5年前に自作したおじいちゃんPCや普通のVPSを使って簡単(?)に”採算の取れる”、BitZenyのマイニングをしていこうと思います。

※ この記事における”採算が取れる”というのは”儲けられる”ではなく”赤字ではない”です。



OS : Ubuntu 16.04 LTS
CPU : Intel i5-3470
VPS : ConoHa 1GBプラン


1. BitZenyとは?

まずは、今回マイニングするBitZenyという通貨について簡単に説明しておきます。Bitzenyは”普通のPCで採掘できる仮想通貨”を売りに開発されている通貨です。単位は”ZNY”で、現在の価格は1コインが25円から30円くらいです。

現在、国内の取り扱い取引所では取り扱っているところは無いようです。海外の分散取引所でも数件しか取り扱いが無いみたいです。自分はその中でも、日本語に対応しているCryptoBridgeをオススメしておきます。

BitZenyのウォレットは各種OSに対応していますし、Webウォレットもあるので財布に困ることは無いと思います。

今回は、そんなBitZenyをCPUだけを使ってマイニングしていこうと思います。

2. ウォレットの準備

マイニングを行う前にマイニングしたコインを受け取るウォレットを準備しておきます。本来でしたら、安全性などを考慮してデスクトップ版のウォレットを使用すべきですが、今回は簡単のためWeb版のウォレットを使っていきます。

というわけで、今回使ったのは以下のウォレットです。登録は普通のWebサービスと変わらないので、省略させてもらいます。

もしCryptoBridgeやその他の場所でBitZenyアドレスを持っているなら、この作業は不要です。もしマイニングしたコインをすぐ売りたいのでしたら、CryptoBridgeの受け取りアドレスを使ってしまうのが簡単でいいと思います。

3. マイニングプールへ参加

ウォレットの準備ができたら、次にマイニングプールへの登録をします。これは「みんなでマイニングすれば難しい問題がきても助けあえるでしょ」という思想で、グループマイニングする仕組みです。

この仕組みを提供しているサービスはたくさんあります(公式サイトでもまとめられています)が今回は”LA Bitzeny Pool”を利用しました。こちらも普通のWebサービス同様に会員登録をします。登録用のリンクは画面右上にある”Guest”の中の”Sign Up”です。”Coin Address”には先ほどの作ったWalletのアドレスを入力すれば大丈夫です。

登録が完了したら次に”Worker”というものを登録しなくてはいけません。めんどくさいですが、これを登録することで、端末毎にどれほどマイニングできているかを確認できるため、サクッと登録してしまいましょう。

worker登録画面へはダッシュボード画面の右上にあるユーザ名のボタンから”Workers”を選択することで行くことができます。登録画面が出てきたら、”Add New Worker”の項目の”Worker Name”と”Worker Password”を入力して”Add New Worker”ボタンを押すだけです。

ここで入力した名前とパスワードはマイニングするときに入力するので、メモしておいてください。

また、画面上部の緑っぽいボックス内に”minerd -a yescrypt -o …”的なものが書かれていると思うのでこれもメモしておいてください。これがマイニングを実行する時のコマンドの雛形になります。

4. マイニングソフトの導入

下準備の最後はマイニングソフトの導入です。Windowsなどでは実行ファイルが直接提供されているので簡単にできるみたいですが、今回はLinux(Ubuntu)なのでちょっとだけめんどくさかったです。

まずはいつもの奴をやってきおきます。またGitコマンドを使うので、まだ インストールしていない方はインストールしちゃってください。

次にマイナーを実行するために必要なものたちをインストールします。

追記 2018/01/31
下に書いてあったマイナーはすでに古いものらしく、これ以降のアップデートでマイニングすることができなくなるようです。なので新しく高速な方を紹介しておきます(基本的な操作は同じですが…)。

ここまでやったら次の章まで進んじゃってちゃってください。

追記ここまで

次にGitHubからマイナーをダウンロードしてきます。

あとはインストールまでやってきましょう。

これでminerdコマンドのヘルプが出てくればコンパイル完了です。もしできない場合はアップデートの確認やmakeを行う時のディレクトリがgitでダウンロードしてきたディレクトリかを確認してみてください。

5. マイニング開始

やっとここまできました。ついにマイニングの時です。マイニングの実行には以下のコマンドです。 以下のコマンドの”User.Worker”をご自身の”[ユーザ名].[ワーカー名]”に書き換えてください。また”Pasword”の部分をご自身の”ワーカーの”パスワードに書き換えてください。

正しく動いているかはWorkersを登録したページやダッシュボードで確認できます。これらのページで”Khash/s”や”Woker Information”の値が0より大きければ大丈夫だと思います(反映には数分かかることもあるので注意)。

6. VPS上実行する場合は…

さて、今回は自分のPCだけではなくVPS上の端末でも試しにマイニングをしてみました。今回使用したのは、ConoHaという国内のVPSです。今回は、このVPSの1GBプラン(2コアCPU)を使ってみました。

ただ、VPSでレンタルすることができるサーバは、自分専用ではなく複数のユーザで共有します。なので、1人のユーザが高負荷の処理を継続して実行するのはマナー(規約)違反です。なので、VPS上で実行するにはある程度処理速度に制限を設ける必要があります。今回はCPUでのマイニングなので”cpulimit”というコマンドを利用します。

インストールは以下のコマンドで簡単にできます。

実際に処理を制限して実行するには以下のコマンドを入力してください。

このように実行することで80%の力でマイニングすることができます。ただここに一つだけ注意点があります。もし1コアで実行するのでしたら、上記のコマンドで80%の力になります。しかし、複数コアを使う場合だと変わってしまいます。というのも、複数コアの場合、指定できる数値の上限は”コア数*100″になります。なので上記のコマンドは1コアあたり”80/[コア数]%”になってしまいます。つまり、もし2コアで80%実行がしたいのでしたら”-l 160″で4コアなら”-l 320″となります。

以上を踏まえまして、ConoHaの1GBプランで実行する際は70%の力でマイニングしてもらうため”-l 140″を指定しました。

7. 採算は取れたの?

さて、最後に最も気になるポイントである”採算は取れたのか?”について書いていこうと思います。
(※この項目は執筆時点の数値ですのであくまで参考程度にご覧ください)

まずはデスクトップPCの方です。デスクトップPCで”採算”が取れたかの計算にはPCの電気代を計算すればいいのでしょうか?…

というわけで、こちらのサイトに掲載されている2008年の値を”あえて”参考にして、電気代を計算してみました。すると一日の電気代は”25.272円”となりました。そして気になるマイニングできたコイン数ですが、平均で”2ZNY“くらいでした。執筆時点で1znyが30円弱なので、一日50円くらい掘ることができました。以上より、1日で25円の黒字ということになりました。

次にVPSの方です。こちらでの採算の確認はVPSの利用料金を計算すればいいと思います。自分が利用したのは1GBプランなので、基本的に1時間の使用料金は1.3円、つまり一日では31.2円です。そして、VPSでマイニングできたコイン数は1日に”1ZNY“弱くらいで、VPSでは一日に22.5円くらい掘ることができました。以上より1日で8.7円の赤字ということになりました。

というわけで、結果は”デスクトップなら(微々たる)採算が取れる“でした。

一応フォロー的なものを書いておくと、ConoHaはマイニング向けのVPSではありませんので、根本的にConoHaでマイニングするのが間違っていると思います。また本記事では25円/ZNYで計算しましたが、執筆二日前は約30円/ZNYでした。この値で計算すると6円くらいの黒字になります。

という感じなので、読者の皆さんで自己判断してみてください。

8. おまけ

最後に、おまけ情報としてBitZenyのDiscordコミュニティを紹介します。Discordというのはゲーマー向けのボイスチャットソフトですが、このコミュニティの一つにBitZneyがあります。こちらのコミュに参加するとDiscord内で使えるBitZenyのWalletを作ることができます。

さらにこのWalletに10ZNYを入金してオンライン状態でいると”rain”と呼ばれる投げ銭を受け取ることができます。こちらは完全に良心で成り立っている仕組みですが、オンラインでいるだけでコインが貰えるので、気になったらやってみてください。

※ BitZenyの紹介URLを貼ろうと思ったのですが、コミュの方針からかリンクが作成できなかったので、他サイトさんに掲載されているリンクよりご登録ください。

9. マイニングしたコインを売るために 追記 2018/02/26

今回の記事では、マイニングしたコイン数に当時のレートをかけることで損益を判断しました。しかしBitZenyを直接、日本円に換金することは現在の取引所ではできません。そのため、BitZenyを日本円にするには、まずは別の通貨に換金する必要があります。ところが、BitZenyを扱っている取引所はとても少ないです。

そんな中自分が使用している取引所がCryptoBridgeです。こちらは分散型取引所(DEX)と呼ばれるもので、詳しい説明は省きますが、従来の集中集権取引所と比べ、取引所が各地に分散されているため、いわゆるゴックス(クラッキング被害)を受けにくいという特徴があります。

自分はこのCryptoBridgeでマイニングしたBitZenyの出金先をCryptoBridgeのアドレスにすることで、直接入金しています。あとは、別のコイン(主に草コイン)にしてもよし、LTCなどの送金しやすい通貨に変え、国内取引所に送金・換金して日本円を入手することもできます。


仮想通貨の売買をするなら

ビットコインやEthereumを始めたとしたアルトコインの売買をするなら『GMOコイン』がオススメです。最低取引量がちょっと高めなので細かい取引はできませんが、入・出金の手数料が無料というアホみたいにありがたい設定になっています。という宣伝でした。

主要コインは国内でいいのですが、残念ながら草コインを手に入れることはできません。草コインの取引を行うなら海外取引所の一番人気『Binance』がオススメです。海外取引所ということで「えー」と思う方もいるかもしれませんが、日本語にも(一応)対応しているので、普通の取引所と同じ感覚で使えます。という宣伝でした。


おわりに

さてここまで、書いてきました。PCに余力があり、気になった方は挑戦してみてはいかがでしょうか。一つの目標として、上記のDiscordでrainがもらえる10ZNY(+送金手数料)を目指すというのもいいかもしれません。


「プロセスのCPU使用率を制限する方法」

2018-01-16仮想通貨BitZeny, マイニング